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TOP > バウの道中記 > 2009/2/18
 

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 point 【rain-bow】
 point 【714Xと6人の医師】
 point 【古代への旅】
 point 【Pastime】
 point 【18のバス停】
 point 【I Thought About You】
 point 【HOMEに帰ろうぜ】
 point 【山月記に学ぶ】
 point 【風 散々と】
 point 【これで、いいのだ!】
 point 『注文の多い料理店』
 point 【曼珠沙華】
 point 【きつねの夕食会】
 point 【キラリ 札幌地下鉄】
 point 【ゴキブる】
 point 【水道水を飲む】
 point 【夏休み】
 point 【ガイア セブン】
 point 【田んぼの中の露天風呂】
 point 【父は空 母は大地】
 point 【ラジオの話し】
 point 【よければ一緒に】
 point 【シベリア鉄道】
 point 【1分で充分だった】
 point 【病みながらも生きて行く】
 point 【がんの催眠療法】
 point 【テニアン島の怪】
 point 【東京銭湯】
 point 【12月の雨の日】
 point 【しあわせって・・・】
 point 【ダダ・チャイルドの明輝人くんへ】
 point 【犬のようちえん】
 point 【東京タワー】
 point 【希望は踊っている】
 point 【Slow Dance】
 point 【道頓堀でカヌー】
 point 【野の花診療所】
 point 【バウ塾】
 point 【ジョン・レノンな私】
 point 【もっとCM見ようね】
 point 【朗報・みっつ】
 point 【あやまりの旅】
 point 【地球をいやそう】
 point 【言葉が消えた・・・】
 point 【四国から・・・】
 point 【3つのビルの謎】
 point 【聖地・チベット】
 point 【事業仕分け】
 point 【途中退席賞】
 point 【ノーナプキン】
 point 【船首漂着】
 point 【大ボラを吹く人たち】
 point 【きづきの瞬間】
 point 【LOVE ME TENDER】
 point 【親子3代つながった】
 point 【水虫の唄】
 point 【自分の足で】
 point 【あの純真さに学ぶ】
 point 【おいしいコーヒー】
 point 【何を目指したか】
 point 【ダムのない川】
 point 【愛おしくて】
 point 【タタの面白さ】
 point 【15秒のCM】
 point 【REGEND 重い扉】
 point 【起業課を新設】
 point 【開け!にっぽん】
 point 【ピンポン!】
 point 【夢から一歩】
 point 【名人戦】
 point 【セバスチャン氏との出会い】
 point 【やっぱカヌーだよ!】
 point 【カナダセミナー報告】
 point 【希望への讃歌】
 point 【アンソニー・フィリップス】
 point 【ウイルスの政局話し】
 point 【Muzinzo vol.1】
 point 【MOXとCANOE】
 point 【地球マンの声】
 point 【人間家族】
 point 【無為自然】
 point 【おくっとこ】
 point 【ベーシックインカム】
 point 【ロビー活動】
 point 【ハワイな予感】
 point 【フードバンク】
 point 【勇気ある卵】
 point 【類は友を呼ぶ】
 point 【内を向いて歩こう】
 point 【ウォーリーの家】
 point 【お弁当の話し】
 point 【素朴な里と人】
 point 【714X 未知の道】
 point 【似顔絵の作り方】
 point 【大好きだよ!】
 point 【ハプチョンに行くぞ】
 point 【予約販売 GOGO!】
 point 【最後のニュース】
 point 【足るを知る】
 point 【骨董通り散歩】
 point 【薪割りの季節】
 point 【Hymn To Hope 】
 point 【こころの意味】
 point 【行きと帰り】
 point 【お誕生日】
 point 【108の祈り・後】
 point 【108の祈り・前】
 point 【てるりん慕情】
 point 【オフコース】
 point 【読書三昧】
 point 【カナダ報告2】
 point 【どんでん返し】
 point 【ストリートビュー】
 point 【帰りたい】
 point 【カジカ鳴く夕暮れ】
 point 【日の目を見る】
 point 【うぶに還る】
 point 【純真な動き】
 point 【ぼ〜っとする】
 point 【常温核融合】
 point 【ナンバー117】
 point 【夢のひとつ】
 point 【カナダ報告】
 point 【タオと生きる】
 point 【ラップ療法】
 point 【Tibet Tibet】
 point 【千島学説セミナー】
 point 【ガストン・ネサーン】
 point 【BOOMERANG】
 point 【Yes,We Can】
 point 【宇宙を越えて】
 point 【マンハッタンのマグロの叫び】
 point 【食の研究所】
 point 【いのちの食べ方】
 point 【医学の進化】
 point 【育ち・なおし】
 point 【半農半X】
 point 【月に笑う夜】
 point 【911から見る未来】
 point 【中越沖地震】
 point 【慈しむ】
 point 【ひとり旅の冒険旅行】
 point 【HOME SWEET HOME】
 point 【動けば変わる】
 point 【豪快な号外】
 point 【今までのような暮らし】
 point 【森の魂 風の塔】
 point 【スローダンス】
 point 【白い森】
 point 【悲しい知らせ】
 point 【千島学説に学ぶ】
 point 【Beyond】
 point 【広島灯籠流し】
 point 【生徒諸君に寄せる】
  【サイコロの未来】
  【絶望に効くクスリ】
   【風になる】
  【まぁだだよ】
  【ほたるのものすごさ】
  【いいモノみっけ】
  【猫語の教科書】
  【廊下で立ってなさい】
  【21世紀第64回目 月の祭り】
  【アーティストが世界を変える】
  【天声人語】
  【自衛隊に入ろう?】
  【とある社内報2】
  【とある社内報1】
  【四方山ばなし】
  【歌舞伎町三者会談】
  【超秘密会議の打ち明け話し】
  【吹雪の中の水虫のうた】
  【イカ焼きとミックスジュース】
  【豊島問題改ざんサイト】
  【chanとまこっちゃんやど〜】
  【古武道とはなんぞや】
  【道後準備会】
  【竹炭名人芸】
※矢印をクリックするとメニューの一覧をみることができます。

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【バウの道中記】2009年2月18日  武蔵野  月笑庵

【勇気ある卵】

恥ずかしい話しですが、村上春樹を始めて知りました。
もちろん、あの緑色のカバーの『ノルウェーの森』を友人からもらって 数ページ読んだことがあったのですが、それは村上 龍が書いたものだと 今まで勘違いしていたのです。

いやぁ〜、すごい勘違いをしていました。これは、シーチキンがマグロ 缶ではなく、カツオの缶詰だと分かった時より、目が覚めた感じです。

彼が、世界中のフアンに感動を与えた、エルサレムのスピーチをここに 転載させて頂きます。彼はパレスチナのガザ地区を攻めたイスラエルの 国から文学賞をもらうかどうかをさんざん悩やみました。

しかし勇気を出して、その会場に立ち、イスラエルの大統領他、重鎮た ちが居並ぶ会場で下のスピーチをしたのです。

明日早速、彼のデビュー作の『風の歌を聴け』を手に入れたいと思って います。いや〜あ、すごいヒトだね!すごい。すごい。拍手だ拍手だ!

不思議と、このスピーチが終わった会場では、スタンディングオベーシ ョンが起こりました。ん〜〜ん!すごかったよ!会場の拍手も・・・

一斗缶:村上春樹エルサレム文学賞受賞スピーチ抄訳から転載
http://maturiyaitto.blog90.fc2.com/blog-entry-139.html

こんな風にぼくはエルサレムにやって来ました。小説家として、つまり 嘘の紡ぎ手としてです。

ただ小説家だけが嘘をつく訳ではありません。政治家もそうですし(大 統領には申し訳ないけれど)外交官もそうです。ですが、ほかの人たち と違ったところもあります。ぼくらの嘘は訴えられることがありません むしろ誉められさえするのです。嘘が大きければ、その分誉められさえ するのです。

ぼくらの嘘と彼らの嘘との違いは、ぼくらの嘘が「本当」を明かすこと に手を貸すことです。「本当」を完璧に把握するのは難しい。だから、 ぼくらは、それをフィクションの領域に移し換えるのです。ですからま ず、ぼくらの嘘のどこに「本当」があるかはっきりさせておく必要があ るでしょう。

今日、ぼくは「本当」を語ります。ぼくが嘘をつかないのは、一年の内 数日だけです。今日はその内の一日です。

受賞について尋ねられた時、ガザは戦闘状態だと警告されました。ぼく は自分に問いかけました。イスラエルを訪れることが正しい事かどうか? 片方に荷担することが。

少し考えがありました。そこで行くことにしました。多くの小説家と同 じ立場を、ぼくに言われていたこととは反対の立場をとることにした訳 です。

小説家としては自然なことでしょう。小説家は自分の目で見るか、自分 の手で触れていないことを信じることが出来ません。ぼくは見ることを 選びました。何も言わないことよりも、話すことを選びました。
こんな風にぼくは述べに来たのです。

仮に壁が堅く高く、卵が潰えていようと、たとえどんなに壁が正しく、 どんなに卵が間違っていようと、ぼくは卵の側に立ちます。

何故でしょう? ぼくらはそれぞれが卵だからです、ユニークな魂が閉 じこめられた、脆弱な卵だからです。ぼくらはそれぞれ高い壁に直面し ています。

高い壁とはすなわち、ぼくらに普段通り個人的には考えさせないよう仕 向けている、システムにほかなりません。

ひとつだけ、小説を書く時に意識していることがあります、個々人の神 々しいまでのユニークさを描き出すことです。そのユニークさを喜べる ように。そしてまたシステムがぼくらを絡み取ってしまわないように。

だからぼくは、人生についての物語を、愛についての物語を書いていま す。人々に笑い泣きしてもらえるように。

ぼくら人なるものはすべて、個々の、脆弱な卵なのです。壁に逆らうこ となどかないません。それはあまりに高く、陰気で、冷ややかなのです から。

ぬくもりや強さを求めて魂をひとつにする、ぼくらはそうやって壁と戦 うよりほかないのです。決してぼくらを、システムのコントロールに、 ぼくらがつくったものに委ねてはなりません。ほかならぬぼくらが、そ のシステムをつくったのですから。

みなさんに、ぼくの本を読んでくれているイスラエルの人たちに感謝し ます。願わくば、ぼくらがなにがしか有意義なものを分かち合えますよ うに。ぼくがここにいるのは、ほかでもないあなたたちのおかげなので すから。

 
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E-mail:bow@peace2001.org