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バウの道中記 2006年1月7日 札幌 |
【超秘密会議の打ち明け話し】
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1月5日の早朝5時、札幌駅の大きなビルを仰ぎながら、私は大きな深呼吸をやってみた。気温はたぶんマイナス8℃ぐらいだろう。
私は冷たく濃縮された空気が鼻の芯から肺のすみずみの細胞まで広がって行く感触が好きで、ただただこの深呼吸をやりたいが為によく冬の北海道に通ってきた時代があった。
この冷たく透き通った空気、まさしく生きているようだ。
私はやはりこのキンキンとした冷えきった空気が好きなのかも知れない・・・としあわせな気分になりながら札幌駅を背にして大道りの方向に向けて歩いて行った。
今日は10時から会合が始まる。あまり時間がない。それまでになんとか船酔いの体を少しでも回復させておきたいものだ。
札幌での最近の私の寝床は、札幌駅と大通り公園にはさまれた時計台の近くの一泊2000円台の安ホテルを利用している。安ホテルと言ってもまずまずで、この時期はお正月ということで一泊3100円になっていたが、それにしても2泊で6200円とは、これぞ買い物であろう。
私はホテルの近くのコンビ二に立ち寄り、まだ体の方は嫌がっていたのであるがゼリー状の栄養食品とバナナを手に入れた。と言うのもこの28時間、船酔いのために何も食べれない状態が続き、2回も低血糖に襲われ、そのたびに緊急に飲み込むブドウ糖まで、もどしてしまい、体の調子は絶不調になっているのである。これはたぶん普通の人なら緊急入院となるに違いない。
ホテルに入ったのは朝の5時を過ぎていた。私はこれも体が嫌がっていたが、思い切って風呂に入ることにした。
いままで自分の人生の中で時々真剣にやってきた儀式をこんな街中のホテルの風呂でやるのもおかしいと思いながら、今はこのやり方しか体を回復させる方法はない。と思っていた。
沢の奥深く、人知れず山深い地の果てで繰り返してやってきた『水』に助けを求めるやり方だ。今は『水』に自分の根源全てを託すしかない。
気がつけば7時になっていた。がしかし・・・・・
次に気がついたときは、8時を過ぎていた。あまり時間がないので、最後は風呂を目一杯熱くして、体の調子を仕上げることにした。嬉しいことに、体の方はすこし回復して来たらしい。
札幌の事務所は円山公園の近くにある。大道りの駅から地下鉄に乗り、円山公園の駅まではすぐである。小高い山の麓にある円山公園一帯は札幌に住む人たちからも、なかなか評判の高い住宅地らしいのだ。
事務所の広さは昔の神戸元気村時代の事務所の広さに匹敵する。なかなか広くそれもビルの一階部分にあり快適だ。
事務所にはこの日の会合のために集まった6人がすでに集結していた。彼らはそれぞれ自分担当のプレゼンの準備を着々と進めているようだ。今日は私を入れて7人の会合である。私は挨拶を交わしながら一人づつ抱き合っていった。
さて、ここからが本題である。
今回開かれた5日と6日の会合の内容をここで公開することが出来ないのである。これは集まった人の名前なども含めてである。
今現在進行中のこのプロジェクトの状況を説明すると、私たちは近い将来、世界中の科学者たちに向けて、かなりインパクトの強いセンセーショナルな発表をすることになる。
同時に世界中の産業界、政治の方向性までもそれぞれの自らの判断で、舵取りをやり直さなくてはならない事態を迎えるであろう。
これからの地球を変えて行くには、やはり先駆者たる科学者たちに、科学者たる本来の真価を問いかけるしかないと私たちは考えている。
私たちはその手順について昨年一年間をかけて、じっくりとシュミレーションをやってきた。今回の会合で新たな議論を繰り広げたのは・・・
今回の基礎実験の発表を、ただ単に世界を驚かすためだけの手段にせずに、同時に極一部の専門分野の科学者だけがかろうじて理解するような、扉の狭いむずかしい発表を避けて行く。
あえて今出来るその発表時期をここで延ばして、私たち自身に成熟可能な時間的な余裕をもたせて、もっと一般社会の誰でもが瞬時に理解出来るような発表時期まで待つこと
にする。
その時期までは深々と静かな世界で基礎実験研究を進めて行こうと言う結論に達したのである。
簡単に言えば、もう少し時間をかけて、このままの状態で静かに先の世界に進んで行くと言うことだ。
また、今回の会合では特にセキュリティー問題に関して、ゲストを迎えて話し合う時間が取られ、最新の通信システムも導入することになった。
それほど私たち(人類)は大切な時期を迎えたのだと、皆さんに理解していただく他はないだろう。
札幌を出た7日の昼時は、街は白いベールに包まれていた。
南千歳まで来た辺りで、空が一面晴れ出した。久しぶりの太陽である。苫小牧の港から出る大洗行きのフェリーは快適だった。
さてと・・・、次ぎは関東である。
誰から会って行こうか・・・・・
全ては縁であって、双方のタイミングである。
さてと・・・ |
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