秋田の山奥に住む友人から久しぶりの便りが届いた。この冬はミュージシャンの合宿が連続で入って、かなり忙しくなりそうで、薪割りと土作りの枯れ葉集めを手伝いに来て欲しいと書かれていた。
考えてみれば、私は今までいろんな人に、薪割りのオノをプレゼントしてきたが、この人は確か25年前に私の周辺で山の中の生活に変更をした歴代3人目の薪ストーブ愛好家となった人である。と言うことは、この人は、私がプレゼントしたオノを25年も使ってくれていることになる。
今までオノをプレゼントをした人を数えてみると、18人を越える人を思い浮かべることが出来た。これってすごいよね!
みんな都会の喧噪から離れて、びゅ〜んと力を出して山の中に引っ越して行った人たちばかりなんだから。それも家族を連れて。そうか、力を出したのではなく抜いたから出来たのかも知れない。街中の生活があまり意味がないことを知った人たちなんだから。
私からの一方的な感情かも知れないが、みんなそれ相応の可愛い仙人に思えてならないのである。
オノの数と同じぐらいの数をプレゼントしたのが秋田のマタギに伝えられたナタである。ナタを使って小枝からパチパチと沸かすお風呂の音が懐かしい。
みんなこの冬暖かい薪ストーブを囲む人たちばかりだ。うらやましいな。薪割りのあの音が。
さて、この先どんな人にオノとナタをプレゼントしてみたくなるのか、はたしてそんな人が今後も私の目の前に現れるのかどうかと心配になっている。
びゅ〜んと力を抜いた生き方を選ぶ人が現れるかどうかと憂いている。
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