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TOP > バウの道中記 > 2009/1/30
 

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 point 【rain-bow】
 point 【714Xと6人の医師】
 point 【古代への旅】
 point 【Pastime】
 point 【18のバス停】
 point 【I Thought About You】
 point 【HOMEに帰ろうぜ】
 point 【山月記に学ぶ】
 point 【風 散々と】
 point 【これで、いいのだ!】
 point 『注文の多い料理店』
 point 【曼珠沙華】
 point 【きつねの夕食会】
 point 【キラリ 札幌地下鉄】
 point 【ゴキブる】
 point 【水道水を飲む】
 point 【夏休み】
 point 【ガイア セブン】
 point 【田んぼの中の露天風呂】
 point 【父は空 母は大地】
 point 【ラジオの話し】
 point 【よければ一緒に】
 point 【シベリア鉄道】
 point 【1分で充分だった】
 point 【病みながらも生きて行く】
 point 【がんの催眠療法】
 point 【テニアン島の怪】
 point 【東京銭湯】
 point 【12月の雨の日】
 point 【しあわせって・・・】
 point 【ダダ・チャイルドの明輝人くんへ】
 point 【犬のようちえん】
 point 【東京タワー】
 point 【希望は踊っている】
 point 【Slow Dance】
 point 【道頓堀でカヌー】
 point 【野の花診療所】
 point 【バウ塾】
 point 【ジョン・レノンな私】
 point 【もっとCM見ようね】
 point 【朗報・みっつ】
 point 【あやまりの旅】
 point 【地球をいやそう】
 point 【言葉が消えた・・・】
 point 【四国から・・・】
 point 【3つのビルの謎】
 point 【聖地・チベット】
 point 【事業仕分け】
 point 【途中退席賞】
 point 【ノーナプキン】
 point 【船首漂着】
 point 【大ボラを吹く人たち】
 point 【きづきの瞬間】
 point 【LOVE ME TENDER】
 point 【親子3代つながった】
 point 【水虫の唄】
 point 【自分の足で】
 point 【あの純真さに学ぶ】
 point 【おいしいコーヒー】
 point 【何を目指したか】
 point 【ダムのない川】
 point 【愛おしくて】
 point 【タタの面白さ】
 point 【15秒のCM】
 point 【REGEND 重い扉】
 point 【起業課を新設】
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  【道後準備会】
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【バウの道中記】2009年1月30日  武蔵野  月笑庵

【内を向いて歩こう】

2年前、小笠原が生まれ故郷の南 瑠衣くんが島に帰ると言うので、もし 隣の島の硫黄島の島トンの苗木が小笠原で見つかれば、一株でもいいから 手に入れて欲しいと伝えたところ、父島でゲストハウスや海のガイドをし ている瑠衣くんのオヤジさんが、山の中に自生している島トンを見つけて、 私のもとに二株届けてくれました。

小笠原父島のガイドハウス【リトル・ジョージ】:
http://www.h2.dion.ne.jp/~little.g/

推測では、硫黄島の鳥が小笠原の島までその種を運んでくれたらしいと、 お聞きしています。

この硫黄島の島トンを栽培することが、以前からの私の熱烈な夢でもあり ましたので、東京駅近くのOAZOのカフェで瑠衣くんからその二株の苗木 を渡されたときは感動ものでした。<http://ruiiru.blog104.fc2.com/>

その当時の私は、日本中を動き回っていたこともあり、栃木の野上さんと 小笠原の気候に似た沖縄の友人に一株づつ送り込んで、育ててもらうこと にしました。

その後、沖縄の友人とは音信がとだえたままなのですが、栃木の野上さん が一本の苗木をたいせつに育て上げてくれて、去年はその分け前(笑)の 39株の苗木が私の手元に届きました。

この39株の苗木は、近くに畑を借りて増やして行こうと思っていたので すが、借りることができた畑を見に行くと、その畑の隣に鉄壁に囲われた 産廃業者の盛り土の山を見てしまってその畑を借りることを断念しました。

でも、私には友人がいました。

一株、三株と友人たちが硫黄島の島トンにかける私の熱い夢に賛同してく れて、自分の家のベランダや畑で育ててくれたのです。

私自身は、39の苗木の中の一番小さな苗木と、一番大きな苗木と、ちょ うど真ん中ぐらいの大きさの苗木を全部で3本自分の元で育てることにし ました。

そうして、私と島トンの相互観察会が始まりました。お互いに観察し合う のです(笑)植物を育つのをすぐ横で観察できると言うのは、実におもし ろいですね!

友人たちは、11月頃に霜が降りた頃に島トンを収穫して、残った幹の部 分や根っ子まで取っ払ってしまったようなのですが、私はまだまだです。

もともと硫黄島で自生していた島トンですから、四季がない土地でこの島 トンは育ったと決めてかかったのです。

その予想通り、最初の花が咲いてそこから島トンの実が成るのですが、そ こで終息宣言をしないで、そのまま次ぎの成長を気長に待つと、大きな葉 っぱが順番に枯れて行って、その近くからまた新しい小さな葉っぱが出始 めてきて、1月になってからもまた新しい花を咲かせて、その先から島ト ンの実が出始めています。

数日前、嬉しい現場に立ち会う事ができました。島トンの実が自然落下を した瞬間に立ち会えたのです。これも、人間が収穫時期を決めて栽培すの ではなく、その苗の天然の時間軸の中で島トンを見守って行きたいと言う 思いがあったので自然落下の時期に巡り会えたのかも知れません。

飛んだ話しに聞えるかも知れませんが、これが、相互理解と言うものかも 知れないですね。いつも誰かのそばにいて、口出すこともなく、気長にそ の成長を待つ姿勢を保つのですから。

と言うことで、今年の島トンの栽培方法を考えています。畑を借りること も考えてみたのですが、去年台風が来なかったので今年はどうかと心配し ています。

考えてみれば、農業をやるって度胸がいるんですよね。自分の生活をかけ て数ヶ月間、何かの苗を育てていくのですが、その最中に風速60mの台 風が一本でも来れば、それでほとんどのモノがオジャンとなるのですから。

これは、勇気がいりますネ。と言うか、ギャンブルに近いのかも知れない と私は感じています。ですから私の場合この硫黄島の島トンの種を一カ所 の畑ですべてを植えるということを、しないと思っています。躊躇してい ると言った方が近いでしょう。

さて、私が島トンに惹かれているこの心境は、若い頃にカヌーで日本の川 を100本下ろうとした時の心境によく似たものがあります。だれも一緒 に下る技量の人が見つからず、どんな川であろうと自分ひとりのパドルの 技術とハイな判断力しか役にたたないと考えていた時期の心境に似ている のです。

言い換えれば、どんな難所の急流の瀬であろうとも、自分の力量をすべて 出し切れば何とかなると考えていた時期でした。

ところが、台風の後の、それも始めて経験する長良川の濁流を一人で下っ た時に、ひょいと見たカヌーの横に流れていた枯れ葉に気がついたのです。

次ぎの瀬を越えるにはどうすればいいか、次ぎはもっと危ないかも知れな いと恐怖から逃れるすべをあれこれと考えていた私に、その枯れ葉は瞬間 的に教えてくれたのです。

ひょうひょうと流れるすべを。

私は、とっさにその枯れ葉の後ろについて行くことを思いつきました。 枯れ葉は岩にもぶつからず、それでいて次ぎの瀬の安全なコースへ向けた 懸命なパドリングをするわけでもなく、ひょうひょうとただただ流されて 行くのです。もちろん沈することもなく。

この2年間、そばで眺めて来ただけの硫黄島の島トンなのですが、その時 の枯れ葉に似たことを私に知らせてくれていると気がつき始めました。 何か、今まで以上にシンプルな生き方を望むようになってきました。

どこかの本で読んだのですが、この地球上の生物で、太陽と直接の関係を 結びながら自身を成長させているのは、実は植物や植物性プランクトンや 藻だけなのです。

ヒトを含む動物や魚や鳥たちは、それらの連鎖の中で依存して生活をして いるだけなのです。言い方をかえれば、この地球の本来の主役はヒトでは なく、植物なのかも知れません。

『ウォーリーの家』の時に紹介したディズニーのあのアニメも、禅問答風 に解説すれば、植物が中心のテーマになっていると言えるのです。

硫黄島の島トン。たかが島トンと笑うべからず。
たかだか3本の苗木と笑うべからず。
そこには、自分があるのです。

島トン

硫黄島の島トンは、この2年の中で、私にこれまでの物欲や習慣や常識 や知識や思考や名誉欲で生きて行くのではなく、すっぴんで生きて行く すべを伝授してくれているような気がしているのです。

さて、話題を変えて最近よくのぞきに行っているサイトを紹介したいと 思います。間寛平氏のサイトです。<http://www.earth-marathon.com/>

私がちょうど成人式を迎えた日に、友人に「おもろいヤツがいてるから ちょっと見に行こか」とバリバリの大阪弁で誘われて行った吉本の生の 舞台で彼の演技を始めて見たのですが、その頃の彼はすでに他の役者に はない自分だけの表現方法や生き方を見つけていると感じました。
シャイでバカをやりながらも、光っていたのです。

いわば、私にとって成人式のプレゼントで貰ったモノが、寛平ちゃんの 生き方だったのです。

今回の寛平ちゃんの動きを多くの人が、地球規模の大きな動きと捉えて いると思うのですが、私の見方では、彼もやはり今までの生き方を変え たくて、いつまでも『上を向いて歩く』のではなく『周りを向いて歩く』 のでもなく『内を向いて歩こう』と思い始めたのだと感じています。

時々、寛平ちゃんのサイトを見て下さい。そこに自分の姿を映し出せる 人が出て来れば、彼の本望なのかも知れません。

追伸:ウォーリーの家の第一号の靴の苗床の写真がアップされました。
どうぞ、のぞいてみて下さい。少しづつ色んな靴が、ナオトくんの夢の 方向に集り出したようです。<http://wakka.beblog.jp/nidomu/>

 
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E-mail:bow@peace2001.org