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TOP > バウの道中記 > 2007/10/4
 

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 point 【rain-bow】
 point 【714Xと6人の医師】
 point 【古代への旅】
 point 【Pastime】
 point 【18のバス停】
 point 【I Thought About You】
 point 【HOMEに帰ろうぜ】
 point 【山月記に学ぶ】
 point 【風 散々と】
 point 【これで、いいのだ!】
 point 『注文の多い料理店』
 point 【曼珠沙華】
 point 【きつねの夕食会】
 point 【キラリ 札幌地下鉄】
 point 【ゴキブる】
 point 【水道水を飲む】
 point 【夏休み】
 point 【ガイア セブン】
 point 【田んぼの中の露天風呂】
 point 【父は空 母は大地】
 point 【ラジオの話し】
 point 【よければ一緒に】
 point 【シベリア鉄道】
 point 【1分で充分だった】
 point 【病みながらも生きて行く】
 point 【がんの催眠療法】
 point 【テニアン島の怪】
 point 【東京銭湯】
 point 【12月の雨の日】
 point 【しあわせって・・・】
 point 【ダダ・チャイルドの明輝人くんへ】
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 point 【バウ塾】
 point 【ジョン・レノンな私】
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【バウの道中記】2008年2月1日 武蔵野 月笑庵

【マンハッタンのマグロの叫び】

おととし11月5日に配信した【バウの道中記】で触れた内容は、 米国科学情報誌サイエンスによると、今後40年後にはこの海から魚たちがいなくなり、いずれは食べることも出来なくなる。と言うものでした。その兆候が意外な方向から表面化してきましたので報告します。

参考:2006年11月5日【バウの道中記】:『悲しい知らせ』
http://www.peace2001.org/2006/main/bow/20061105_bow_01.html

今年1月21日と23日のNYタイムズの紙面に、衝撃的な特集記事が載りました。その後ほとんどの日本のメディアは、このことに触れないままの状態なので、このままにはしておけないと思い、私の友人の横浜のターボくんにこの記事を翻訳してもらい、ここに転載させて頂くことに致しました。(転送・転載大歓迎)

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The New York Times Dining&Wine
【High Mercury Levels Are Fonund in Tuna Sushi】
Published: January 23, 2008 を翻訳

このレポートは、去年の10月に、マンハッタンを中心としたニューヨーク市のお寿司屋さんやニポン食レストラン20店舗で、ニューヨーク・タイムズの記者がマグロの握り寿司を買って回って、それを専門の研究者たちに分析してもらった結果が明記されている。

分析を行なったのは、ロバート・ウッド・ジョンソン医学大学の環境医学教授のマイケル・ゴッチフェルド博士と、ラトガーズ大学の生命科学教授のジョアンナ・バーガー博士だ。その結果、20店舗すべてのマグロから、基準を超えるメチル水銀が検出された。

現在、「E.P.A(アメリカ合衆国環境保護庁)」で定めてる「大人1人あたりのマグロの安全摂取基準」は「1週間にマグロの赤身のお寿司を6貫」だが、これらの店舗のマグロのお寿司だと、この基準を大幅に超えるので、1週間に6貫も食べたら危険だと言っている。

その上、これは20店舗のうちの15店舗の話で、残りの5店舗に関しては、さらに大量のメチル水銀を含んでいたので、あまりにも危険だということになり、食品医薬品局が法的な措置をとって、その5店舗のマグロをすべて排除させた模様。

この分析をしたゴッチフェルド博士は、ニュージャージー州の水銀特別対策本部の元議長で、水銀中毒になった患者の治療も行っている博士だが、彼が「マグロを排除しなかった15店舗のお寿司でも、1週間に6貫どころか、3週間に1回でも危険で、誰も食べるべきではありません」と述べている。以下に調査対象となった店と結果の表を載せておく。(表は省略しました)

更に、ゴッチフェルド博士は、「今回のサンプルはニューヨーク市で集めましたが、これはニューヨーク市だけが特別なのではなく、どの地域で検査しても同じでしょう」とも言っている。

マグロに含まれているメチル水銀は、人間の成長過程の神経系を破壊する恐れがあるため、2004年には、子供と妊婦に向けて、カンヅメのマグロの消費量を制限するようにと、食品医薬品局と環境保護局が警告した。

この時点では、カンヅメのマグロだけを制限していたが、そのあとの検査で、お寿司のマグロのほうが、カンヅメのマグロよりも遥かに大量のメチル水銀を含んでいることが分かった。

過去数年の研究によって、こうしたメチル水銀が、成人の心臓疾患や神経系疾患を引き起こす原因になっていると考えられる。

毒物学者で、食品医薬品局の危険評価チーム長であるマイケル・ボルガー博士は、「前回の警告から4年も経過したので、新たな制限を出すために、現在、調査と研究を進めているところです」と語る。

今回、法的に排除できる基準値、1ppm以上のメチル水銀が検出されたのは、マンハッタンのレストラン、「NOBU NEXT DOOR (ノブ)」、「Sushi Seki (寿司関)」、「Sushi of Gari (ガリの寿司)」、「Blue Ribon Sushi (ブルーリボン寿司)」、「Gourmet Garage (グルメ・ガレージ)」の5店舗なのだが、もっとも高濃度の1,4ppmが「Blue Ribon Sushi」で、もっとも低濃度 の1,0ppmが「NOBU NEXT DOOR」だった。

しかし、法的排除を受けなかった残りの15店舗も、0,8ppmや0,9ppmが何店舗も並んでおり、とても安全とは言えないだろう。

そして、「Gourmet Garage」のオーナーのアンディー・アロンズ氏は「しばらくはマグロを扱わないようにするが、マグロを扱わないわけには行かないから、できるだけ水銀の少ないマグロを探すつもりだ」と言っており、「Blue Ribon Sushi」のオーナーのエリック・ブロンバーグ氏に至っては「クロマグロが他のマグロよりも高濃度の水銀を持ってることには気づいてたので、小さな子どもを連れた親には『子供にはマグロは1個か2個しか食べさせないように』と伝えていた」と述べている。

このブロンバーグ氏が言ってるように、このレポートでは、おなじマグロでも、キハダマグロやビンナガマグロと比べると、値段の高いクロマグロのほうが、遥かに多量のメチル水銀を含んでいる。

それは、たくさんの魚を食べることによって、それらの魚の体内にあった少量のメチル水銀が、マグロの体内に蓄積されていき、一番体の大きなクロマグロは、一番多くの魚を食べて成長し、よって、一番多くのメチル水銀が蓄積されるからだ。

2007年度のニューヨーク保健省の調査では、他の地域よりも、日本食レストランやお寿司屋さんが多く、マグロを食べる機会も多いニューヨーク市民は、血中の水銀濃度が、アメリカの全国平均値の3倍だったと報告してる。

そして、ニューヨーク市民の中でも、もともと白人よりも魚を多く食べる中国系をはじめとしたアジア系の人たちの血中濃度が高く、さらに、その中でも、高額所得者たちが、飛び抜けて高かったそうだ。

これは、お金持ちのアジア系の人たちは、マグロの中でも、値段の高いクロマグロ、つまり、もっとも水銀濃度の高いものを好んで食べてるからだと分析されている。

「E.P.A」で食用魚の水銀について研究してるケイト・マハフェイ博士は、今回のマグロのお寿司の高濃度の報告を受けても、別に驚かなかったと言う。

それは、ニューヨークに限らず、アメリカの多くの都市部では、妊娠してる女性や赤ちゃんに母乳を与えている女性、そして、子供には、マグロ、メカジキ、サメ、ハタなどをはじめとした水銀濃度の高い食用魚を食べないようにと警告をして来たのにも関わらず、大量の危険な食用魚が消費され続けてる事実を知ってたからだ。

そして、それは、多くの専門家たちが口を揃えて言い続けてるように、政府による警告が、十分に国民に行き届いていないからだと書かれてる。

ハーバード公衆衛生大学院の環境衛生の助教授、フィリップ・グランジャン博士は、「水銀の摂取量を抑えるためには、食物連鎖の中で、できるだけ小さな魚を食べるべきです。魚の体内の水銀濃度は、食物連鎖によって蓄積されて行くのですから」と述べ、食物連鎖の頂点にいるマグロの危険性を訴えている。

そして、ゴッチフェルド博士は、「私は、お寿司は日常の食べ物ではなく、ほんのタマに食べるものだと考えています。そして、お寿司を食べるにしても、お寿司にはいろいろな種類のネタがあるのですからマグロ以外を選択すべきでしょう」という考えを述べている。

NYタイムズのサイトです:
http://www.nytimes.com/glogin?URI=http://www.nytimes.com/2008/01/23/dining/
23sushi.html&OQ=_rQ3D1Q26scpQ3D1Q26sqQ3DQ253FHighQ2BMercuryQ2BLevelsQ2BA
reQ2BFoundQ2BinQ2BTunaQ2BSushiQ2BQ26stQ3Dnyt&OP=60b80988Q2FmvK0mcoQ3C42o
o5gmgssxms7mgumcXjXj_mgu4d4bXpb5wQ26

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
2008年1月21日【ニック・フォックス】NYタイムズから転載

1970年12月に、ブルース・マクダフィー(ニューヨーク州立大学の化学教師)は、食品雑貨店に行った際、この国に衝撃を与え
たある事象を見つけました。

彼は缶詰のマグロを購入し、水銀を見つけるため、他の魚とともに検査、分析をし、疑惑追及を行いました。

彼は、何種類かの魚の中の水銀の量が、連邦食品医薬品局によって定められた限度を上回っていることを発見しました。

政府は100万以上の缶詰をリコールしました。そして、市民は母が毎日ランチボックスにいれているツナサンドイッチが汚染されて
いることを知りました。

少量の水銀は動物の細胞の中に常に存在していたものの、近年から高いレベルとなったのは、主に発電所と他の産業の煙突が原因です。

マクダフィー教授の発見以前には、海が広大であることを理由に、そのような汚染の危険はあまりないと思われていました。水銀は、
体に堆積し続けます。

それは小さい魚にはほとんど溜まりませんが、その小さい魚が、より大きい魚によって食べられ、それはメカジキとマグロのような大
きい海洋魚( 特にビンナガマグロとクロマグロ )において重金属がもっとも高い濃度レベルとなります。

特に胎児と幼児にとって、メチル水銀(水銀とバクテリアのインタラクションによってつくられる)は神経病学的損害を与えることが
ありえます。

いくらかの予備研究は、心臓病を含む成人病でも、水銀と健康問題を関連づけました。1979年のマグロのリコールの後、連邦政府
はほとんど何もしなかったのです。

その後、実際 には食品医薬局は、魚の中の水銀の危険な濃度を2倍に引き上げました。(0,5ppmから1,0ppmまで。欧州連合は、ま
だ危険な濃度を0,5ppmに制限を課しています。)

漁業産業はマグロを食べることへの連邦警告または制限に反対しました。そして、エレクトロニクス産業とともに、水銀が健康にそこ
まで有害なものをもたらさないと主張しました。

しかし、2000年に、米国科学アカデミーは、神経病学的および学習問題を引き起こす可能性があるメチル水銀レベルを持つ子供が
毎年60,000人生まれると報告しました。

2001年には、食品医薬局は女性に、水銀の高水準のため、メカジキ、キングマッカレル、サメとタイルフィッシュを食べないよう
警告しました。

2004年3月に、食品医薬局と環境保護局は、子供と、妊娠しているか、看護しているか、妊娠する予定の女性に対し、水銀の低い
濃度で且つ小さいマグロと、他のシーフードは1週につき12オンス以下、更にビンナガマグロは1週につき6オンス以下しか食べて
はならないと発表しました。

水銀の高い濃度の種類は、チリのハタ、 青魚らの部類とマカジキを含みます。

活動グループは政府にマグロの缶詰に警告ラベルを与えるよう迫り、食品医薬局には子供たちと出産年齢の女性は缶詰のツナを食べない
ように勧めることを依頼しました。(食品医薬局は、水銀の濃度高い、寿司のために最も重んじられた多くの種類のクロマグロをこれまで
テストしませんでした。)

魚はオメガ-3脂肪酸の価値ある源でもあるので、このシーフードの汚染問題にてこずっています。ハーバードスクールのパブリックヘ
ルスは2006年レポートで、魚の有益さが汚染物質の危険性を上回るとありました。

しかし、連邦医学研究所によって同時に公表されるレポートでは、全体的な有益性に対してより慎重でした。
2008年1月21日【ニック・フォックス】NYタイムズから転載


 
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E-mail:bow@peace2001.org