「地雷原の小学校」
小学館の「SAPIO」という雑誌に、傭兵を職業とする男性が寄稿していた。
彼の文章を読むと兵士が線上で何を思い、何を感じているのかがなんとなくわかる。
「テレビも雑誌も戦争の被害者と言えばすぐに女子供を取り上げてお涙ちょうだいだ。だが、戦地でもっとも多く死んでいるのは男であり、兵士である」
そう書かれているのを読んで、なるほどそれはそうかもしれないと思った。
とはいえ、やはり地雷原と近接して小学校が建っているのを見ると、この子供たちの未来について、私は考えざるえない。確かに、子供を使ってのキャンペーンは「お涙ちょうだい」かもしれない。だけど、子供たちを必要以上に死の恐怖にさらしていることもまた、カンボジアの現実ではないか。それだけを取り上げるなと言われても、あきらかに地雷というのは強者のエゴの産物だな、と思う。
カンボジアの地雷の多くは「戦意喪失」を目的としている。殺すためではなく、相手に心理的ダメージを与えて、戦う意欲を喪失させるために埋められた。そのうちの多くが子供を対象としている。
|
地雷を撤去した跡に建てた小学校。午前午後に分かれて合計1000人近い子供たちが遠くから通っている。校舎の向こうは地雷原。
2001/06/15(Fri)22:33:05 |
|