地雷ってなに?

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地雷によって20分に1人の命、手足、目などが奪われています!
 
現在、世界各国に埋設されている対人地雷は1億以上といわれ、現在の撤去ペースで100%安全に撤去するには1000年以上かかります。1年に撤去される対人地雷の数は約10万個。そして今も毎年数万個の対人地雷が、新たに埋められているといわれています。
 対人地雷により死傷する人の数は年間2万5千人以上、約20分に1人の命、手足、視力などが失われていることになります。地雷事故にあった人の8割は地雷があるかもしれないことを知っていながら、その日の生活をしていくため、薪をとったり農作業をするために地雷原へ入らざるを得なかったと答えているのです。

地雷の種類
 地雷の種類は大きく二つに分けられます。戦車、車両などを対象とした「対戦車地雷」と人間を対象とする「対人地雷」です。対人地雷は普通5〜10kg程度の力がかかると爆発するように設計されており、小さな子供が踏んでも爆発することになります。

対人地雷は
被害者を殺すより、大きな傷を負わせ、被害者とその看護者を戦場から遠ざける
傷の治療、後遺症のケアの為にお金や人手が必要となる。
地雷原となったところが居住不能になったり、農作ができなくなる。

など、敵陣営に二重、三重の負担を強いることを目的にしています。火薬の量が大人の男性のくるぶしまでを破壊する程度に調整されているものが多いのですが、子供なら傷は内臓にまで達し、大人であっても爆風で破片や土が傷口に付着して菌が体に入り、死亡したり傷より広範囲を切断することが珍しくありません。

 対戦車地雷は、大きな道路などに埋められることが多く、対人地雷ほど無差別には埋設されていません。通常は130kg以上の力がかからなければ爆発しませんが、バスや民間の自動車などがこれを踏んだ爆発で、乗客全員が死亡する事故なども発生しています。対人地雷と組み合わせ誘爆させるように仕掛けられていて、兵士以外の人々が事故にあうこともあります。

掘り出された対戦車地雷(カンボジア)
掘り出された対戦車地雷(カンボジア)

地雷の歴史
 近代的な地雷がはじめて登場したのは、1863〜66年のアメリカの南北戦争といわれています。爆弾の振動に反応する信管を取りつけた砲弾が使われました。
 1914〜18年の第一次世界大戦では、対戦車地雷が開発され、当時は味方陣地を守るための拠点防御用でした。その後、保存性、破壊力の高いTNT火薬が発明され、第二次世界大戦では3億個以上の地雷が使用されたと見られています。
 地雷の問題のひとつはその機能が長い時間もつことですが、第一次、第二次世界大戦で使用された地雷による被害が今も起こっています。
 現在、対人地雷は探知機による発見、撤去を困難にするため、主にプラスチック、木材、陶器などでできており、中国、ロシア、アメリカなど16ヶ国が今も対人地雷を作っています。日本も対人地雷禁止条約に加盟するまで、地雷を作っていましたが、海外に輸出をしたことはなく、2000年より滋賀県の旭化成の爆破試験場などで爆破廃棄を進めています。

対人地雷の山
対人地雷の山。これらの地雷は簡単な道具のみで、撤去されました。

DangerMines 地雷原のそばには、英語とクメール語で“危険!!地雷!!”と
ドクロマーク入りの警告が掲げられている。(カンボジア)

対人地雷禁止条約を産んだ新しい流れ「オタワ・プロセス」

 対人地雷全面禁止条約を生み出した「オタワ・プロセス」とは、国際的なNGOの連合体である地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)が、カナダやノルウェー、南アフリカなどと協力して、国連の枠外で条約交渉を行った、ユニークなやりかたです。対人地雷の残酷さを国際世論に呼びかけ、交渉開始からわずか1年2ヶ月で条約調印にこぎつけました。対人地雷禁止条約は、地雷を作ること、使うこと、輸出すること、蓄えることを全面禁止するための条約です。対人地雷禁止については、1997年、ジュネーブ軍縮会議という場で交渉が行われていましたが、参加する全ての国が賛成することが原則なので時間がかかり、具体的な成果がないまま全日程が終わってしまいました。

 そこで、賛成する国だけで条約を結ぶことをカナダが提案し、1997年12月3日〜4日にかけてカナダの首都オタワで「対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約」(オタワ条約)の条約署名式がおこなわれました。この署名式には日本をはじめ121の国が署名しました。またこの条約を世界に広めることと、対人地雷被害者を支援することをテーマに円卓会議がおこなわれました。
 

 条約署名式においては当時の、アナン国連事務総長、クレティエン・カナダ首相、ソマルガ赤十字国際委員会委員長、ジョディ・ウィリアムズ国際地雷廃絶キャンペーンコーディネーター(97年ノーベル平和賞受賞)が冒頭演説を行い、カナダ、ノルウェー、南アフリカ諸国などが署名を行いました。この他、アメリカや中国、ロシア等、今回の対人地雷全面禁止条約に署名しないことを明らかにしていた国もオブザーバー参加し、演説、円卓会議などで自国の立場を表明しました。

 この条約にはアメリカ、ロシア、中国といった、地雷を製造したり、多数保有している国が条約に参加していないため、条約に効果があるのかどうか疑問だという声も聞かれます。しかし、このように国際軍縮条約が賛成国とNGOとの連携で迅速に成立したのは初めてのことであり、この意義は大きく、核兵器廃絶などにも応用していこうとの流れも始まっています。

地雷を作っているのは誰だ!?

 

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